公開 2017年06月27日(火) 19:00
ペルソナ5でサウンドコンポーザーの目黒将司氏と一緒に楽曲や効果音の作成を手掛けた土屋憲一氏と喜多條敦志氏のインタビューがCRI ADX2 Portalに掲載されました。普段の目黒将司氏のインタビューとは違った角度の話や効果音へのこだわりなどの話があり読み応えがあります。非常に長いインタビューなので一部抜粋して紹介します CRI ADX2 Portal
http://blog.cri-mw.co.jp/adx2portal/
土屋
サウンドチームって、ゲーム開発の初期段階には特にやる事が無いんですよね。先ほども話が出たように、ストーリーとグラフィックが固まってこないと。実際に忙しくなってくるのは、ある程度ゲームが遊べる状態になってからになります。本作は開発期間がかなり長かったので、最初の数年は「あ、今こんな事になってるんだ…前に見た時と随分変わってるな…」というのを横目に若干ハラハラしつつ、別のチームで他の仕事をバリバリやってる感じでした。
喜多條
確か、目黒さんからオープニングテーマのデモが上がったのが2013年で、サウンドが関わり始めたのがその頃からでしたね。
土屋
音楽って作曲家の作風が分かりますけど、実は効果音にもちゃんと作り手の好みがにじみ出てくるもので、誰が作った音なのか分かったりします。「ガラスが割れる」みたいな見た目通りのリアルな音だとあんまり差は出ないんですが、魔法とかシステムSEといった実在しない創作音になると途端に個性が出ます。
喜多條
今回、僕の担当範囲はフィールドや、イベントのキャラクターの動きなど、いわゆるフォーリーが多かったので、その辺りはあまり考えずに見た目通りに作っています。UIや魔法といった個性的な音は、土屋さんがやっていますね。
土屋
効果音作りのモチベーションとして、自分の場合は「物語や映像を見て、自分がワクワクする」という気持ちがすべてですね。もちろんドラマCDのような、そもそも絵が無くて音だけで表現する作品もそれはそれでやりがいが凄くあって、想像力の世界ってすごいなと思うんですけど、我々が作っているゲームの中で言うとやっぱり「お話がワクワクする、絵がカッコイイ」から、自分好みの音を付けたくなる、自分がプレイしてみたくなる。それが全てですね。幸いアトラスの作品って、スタッフである自分から見ても毎回毎回「イイネ!」と思え新たな発見があるというか、発売されたら買いたい、やってみたいと思えるゲームなので、こちらも頑張っちゃうぞ、という気分になりますね。まあ、完成する頃にはイヤというほどプレイげふんげふん効果音を作る具体的な方法としては、大きく分けて・マイクで録音する・シンセサイザーで作る・市販の効果音ライブラリを買ってくる…というルートがあるんですけれど、録音についてはリアルにそのままの音をただ録ってくるだけだと、あんまり格好良くならないんですよね。刑事ドラマの銃の音も、本物はあんな「ズギューン!」なんて音しない…あ、どうでもいいですが最近のTVって銃を撃ちまくる刑事ものやチャンバラ時代劇が減っちゃって、この例え話って伝わりますかね…? ともあれ、あの辺の誇張具合、誤魔化し具合を工夫するのが楽しいですね。
土屋
市販の効果音ライブラリはそのまま使うのではなく、場面に合わせて細かくエディットしていくのが楽しいですね。そのまんま使うと同業者にバレてちょっと恥ずかしい、みたいな空気もあったりして。ただ、主に海外で売られているものに頼るしかない現状で、やはり日本で生まれ育った耳にはちょっと違和感があるというか全体的にリアル路線なんですよ。つくづくジャパニメーションの効果音って独自の進化を遂げた素晴らしい世界観だな~と痛感します。シンセサイザーの音作りはもう、使いこなしが全てというか。ここにもやはり作り手の好みや手癖が反映されるもので、「俺はこのツマミをグリグリするのが好きなんじゃ~!」みたいな個性が出てきます。例えば小西さんはギターが得意なので、エレキギターのエフェクターの知識が豊富で使い方が上手いんですよ。「なんだかいい感じの歪んだ音をしてるけど何使ってるの?」と聞いたらギターのエフェクターを使っていたり。得意技は活きますね。
喜多條
『ペルソナ2』の「ラーメンしらいし」や「最終ボス戦闘」なども見つかります(笑)他に、アニメシーンだけで使われた曲なども使っていましたね。小塚くんの選曲も絶妙で、映画やDVDイベントが、より楽しめるものになっていると思います。全文はこちら
DIGITAL DEVIL SAGA アバタールチューナー
1&2 Original Sound Track 完全体
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