公開 2018年04月11日(水) 14:00 4/10に発売された、PASH!5月号にTVアニメ「ペルソナ5」の記事が3ページにわたって掲載されました。監督を務める石浜真史氏のインタビューが中心で、1話を制作するにあたってのこだわりや、今後のキャラクターの描き方などを話されていました。一部抜粋してご紹介します。
―TVアニメ『ペルソナ5』、いよいよ放送スタートしました!完成した第1話をご覧になって、石浜監督の手応えはいかがですか?
正直なところ、自分では客観的な手応えってまったくわからないんですよ。ただ、1話を観ていただいた原作のアトラスさんをはじめ関係者の皆さんに、こちらが想定していたよりもすごく高い評価をいただけたので「いい物が作れたのかな」と感じています。制作現場がすごく活気づきましたし、第1話を丁寧に作った結果が出たなと感じました。『ペルソナ5』に関しては、原作側と非常にいい関係を築きながら滑り出せた印象です。視聴者の皆さんからの反響も、真摯に受け止めたいなと思っています。ものすごく怖い反面、作品作りのひとつの糧になりますから、皆さんの反応はとても気になりますし、楽しみでもあるんですよ。
―第1話は原作ゲームを彷彿とさせる展開でした。今後も原作ファンがグッとくる仕掛けはあるのでしょうか?
1話の展開は、アニメ独自の入れ替えなどはなくて、ゲームの流れに準拠しています。原作ゲームの導入がよくできていて、そこへアニメだから…と、恣意的に下手なことをしたら、のちのち全体の筋に影響が出てしまうような気配を感じたので、あえてそれは避けました。原作のゲームには話題になったシーンがたくさんありますが、1話の段階ではまだほんの導入ですからそこまで進んでいませんね。それぞれのキャラクターの魅力の頂点の部分は、きっちり出していくようにと心がけたつもりです。
―ゲームとアニメ表現の違いで苦労されたところはありますか?
実はゲームは、感情や情報をプレイヤーに伝えるのが容易にできるんです。というのも、ゲームのセリフはドラマやアニメのような自然な会話とは違った、小説的な書き方がされています。プレイヤーに伝えるべき情報や設定を、そのシーンにいるキャラに割り振って、説明的なセリフを喋らせている。そして伝えるべき情報を伝えながら、キャラの魅力も盛り込んでいくような表現になっているんですが、これがゲームの進行だとまったく気にならずすんなりと受け入れられるんですよね。
だけど、アニメという「時間」が発生する表現では、ゲームのような説明的なセリフが入ると、視聴者が違和感を覚えて引いてしまう。なので、アニメ化の作業では、キャラクターたちに、ドラマや映画のような自然なセリフ配分を考えなくてはならなかったのが、おもしろいところでもあり、手強いところでもありました。
―意図的にゲームに寄せている部分、逆に、意図的にゲームと変えている部分はありますか?
今お話したように、変えたのは、あくまでセリフまわし。そのほかで、意図的にゲームと変えているところはほぼないですね。ゲームのプレイ時間が100時間を超えるぐらいの濃密な物なので、何か足そうとしても入らないです(笑)。
―第1話で、監督がもっとも力を入れたポイントを教えていただけますか。
アニメの1話はずっと曇り空、今にも雨が降りそうな空を描いています。本来キャラクター紹介をする第1話では、明るい青空を描きたい気持ちがあるんですが、アニメ『ペルソナ5』の1話ではそこを我慢し、絶望的な気持ちで東京に出てきた蓮の心象風景として、暗く嫌な感じの画面づくりをしてあります。なので、1話をご覧になった皆さんが「なんとも暗い雰囲気だな」と感じてくださっていたら、それはこちらの狙いどおりなんですよ。
―主人公の雨宮 蓮ですが、ゲームで見られない一面も描かれますか?
僕らがやるべきことは、ゲームをプレイしたファンの皆さんが共通して感じているに違いない蓮の印象や雰囲気を死守すること。下手にアニメ独自のキャラづけをすると何かが死んでしまう。ゲームの中に存在する、「生きている雨宮 蓮」を、アニメでもしっかりと描くように心がけています。
―原作のゲームでは、主人公の「声」を聴けるシーンは少ないですよね。
確かに、ゲームでは、キャストが演じる声として主人公のセリフを聞くことがあまりないので、主人公は口数が少ないように感じるんです。でも、ゲームの決定権をにぎっているのはやはり主人公=プレイヤーですから、重要なセリフはちゃんと主人公が話しています。アニメの制作でも、「あまり話さない主人公」という先入観に引っ張られないよう、ほかのキャラクターたちといいバランスになるようなセリフ配分に気をつけました。人間である蓮や竜司の動かし方については、特に原作側からの指示がなく自由にやらせてもらっていますが、モルガナに関しては、かなり細かい指示がありました。1話ではまだ描かれていませんが、2話以降、現実世界のモルガナと、異世界の怪盗姿であるモルガナの描き方には、非常に気をつかって描いています。現実世界のモルガナは、あくまで自然な猫のように見えるように。逆に怪盗姿のモルガナは、突飛な動作、動物的な動きはさせず、「人間」として描かれています。
祐介は、セリフが多いです。彼は、生い立ちにいろいろなことがあったせいか、キャストである杉田さんの声の効果か、唐突なことを言っても受け入れられるんです。物語の中で、作り手に都合のいいセリフも自然に喋れてしまうキャラクターなんですよ。そういった意味で、ゲームよりもよく喋っています。明智吾郎に至っては、ゲームと桁違いに出番が増えています。彼もメインキャラクターなので、他のキャラと同等に印象づけるため、アニメの出番を増やしました。
―制作現場でのテンションはいかがでしょうか?
はっきり言うと、こちらが心配しちゃうくらいのハイテンションです(笑)。通常のアニメの制作を超えて、スタッフの大半がゲームをプレイして、『ペルソナ5』という作品の虜になって作業に取り組んでいます。そのせいか「いずれこういうシーン出てきますよね」って、こちらがまだお願いしていない素材をみんなが作りだすという(笑)。監督としては、嬉しい悲鳴ですね。
『ペルソナ5』は、原作の副島成記さんの絵がかなり難しくて、描けそうで描けないバランスなんです。あの絵を描けるアニメーターってかなり限られるのですが、幸いなことに、『ペルソナ5』の現場には優秀なスタッフが集まっていて、全員が副島さんの絵を目指して描いています。
―最後に、今後の見どころと読者へのメッセージをお願いします!
原作のゲームをプレイした方にとっては、美味しいところはとにかく全部盛り込まれているので、絶対満足してもらえると思います。原作をまったく知らずに観始めた方にも、『ペルソナ5』というあの世界観、“四軒茶屋”というあの場所の魅力に存分に浸っていただきたい。そして、今後もどんどんキャラクターが増えていくのですが、どのキャラもまったく個性がかぶらず、全員を好きになってもらえるんじゃないかなというくらい、一人ひとりが魅力的です。ここまで魅力的なキャラクターが揃うのってなかなかない奇跡的なことだと思うので、そこからお気に入りのキャラを見つけてもらえたら嬉しいですね!全文をご覧になりたい方はご購入ください
PASH! 2018年 05月号竜司が蓮と肩を組みカバンからモルガナ(猫)が顔を出しているピンナップも付いています 放送が始まったということもあり、具体的にシーンの意図やキャラクター動きにも言及し、続きを楽しみしている私達もワクワクするような良いインタビューでした。
そうか、今日4月11日はワガハイがオマエに初めて出会った日だったな…。祝ってくれてありがとう、みんな。ワガハイ誕生日わからないから、すごくうれしいぜ! #0411モナとの出会い2周年
— モルガナ_ペルソナ広報 (@p_kouhou) 2018年4月11日