公開 2018年05月14日(月) 14:30 5/10(木)に発売された『ダ・ヴィンチ6月号』に福山潤さん、宮野真守さん、杉田智和さんの撮り下ろし&インタビューが掲載されています。先日、杉田さんの”喜多川祐介とどのように向かい合ったか”というインタビューをご紹介したので、今回は宮野真守さんと福山潤さんのインタビューを一部抜粋してご紹介します。 ダ・ヴィンチ6月号
宮野真守
坂本竜司のただテンションが高いだけでない、10代の多感さを表現できたらと考えていました。レッテルを貼られてしまった過去と、抗おうとする10代特有の力を素直に出せればいいなと。
アニメ本編では、まだおバカなシーンが少ないんですよね(笑)。ゲーム版では教養がない感じとか、エロいことに対する思春期な感じが強烈で(笑)。竜司のちょっとふざけているところやボケたりするところは、収録のときに僕もテンションが上がっていたので自然と出てきた感じがあります。僕自身も普段から人に楽しんでもらうことが好きだし、そういうところは竜司と僕の共通点と言っても良いのかもしれません。とくに竜司のおバカなところは、僕なりの“オモシロ”を込めさせていただいたところがあります。自分なりの解釈とテンションでアプローチしたところ、ゲームスタッフの方々からOKをいただけたので、竜司としてはアリなんだなと(笑)。文字面では伝わらない“オモシロ”を表現できるのは、こういう役柄の醍醐味だと思いますね。(ゲーム版で)キャプテン・キッドを演じるときは『どっしりした感じで』という演出側の指示がありました。そこが竜司とはちょっと違う。竜司の表に出ていない、彼の深層にあるもうひとりの自分が出てくるというところが、この作品の面白い部分だと思います。キャプテン・キッドは竜司を促してくれる存在でもあって、どこか、竜司の理想とする自分なのかな、と。『こういうことができるようになりたい』と感じる存在なのかもしれないなと思っています。アニメ版の収録は本当に楽しくて! ゲームの収録ではまわりのキャラクターの反応を想像しながら、竜司の人となりを追いかけていたところがあるんです。でも、アニメではキャストのみなさんがいらっしゃるので。セッションがとても楽しいし、それぞれのお芝居を深くリスペクトしています。こういう現場に参加できることが幸せですね。僕がスケジュールの関係でアフレコに出席できなかったときも、キャストのみんなが僕の芝居を想像して、対応したお芝居をしてくださっているそうで。この前も『頭の中のマモ(宮野)が自由すぎて、自分のセリフが出遅れちゃった』と言われました(笑)。その話を聞いて、みんなが僕のことをよく知ってくださっているんだなと思えて、うれしかったなあ。
福山潤
僕のまわりには『ペルソナ』シリーズのファンが多くて。実兄も『ペルソナ』が好きだし、以前のマネージャーも大好きで。“『ペルソナ』シリーズのオファーがあったら(福山さんに)絶対に受けてもらいますからね”と言われていたんです。今回、実際にオファーをいただいたときは、その熱に押されていましたね。実は僕がまだ10代で、新人だったころに『女神異聞録ペルソナ』(『ペルソナ』シリーズの第1作)のドラマCDに悪魔のフンババ役で出演したことがあるんです。そのときは『ふごー!』という叫び声だけだったんですが(笑)、そのころを思うと『ペルソナ』シリーズと縁があったんだなと思いますね。原作ゲームをプレイした方はアニメ版をご覧になった時に気づいたかもしれませんが、雨宮蓮のセリフは、ゲーム中に出てくる選択肢から引用されていたり、ほかの登場人物との会話の受け答えが中心になっています。彼のまわりにいるキャラクターがしっかりと際立っているので、おのずと彼のアイデンティティが立ち上がってくるようになっているんですね。
周囲の反応を受けるようにキャラクターをつくっていく。これは最近、僕自身もゲーム原作のキャラクターを演じるときに意識するようになったことですし、石浜真史監督をはじめとするアニメスタッフの『ペルソナ5』への取り組み方の姿勢が表れていると思います。原作の『ペルソナ5』のテイストを大切にしつつ、ストーリーをわかりやすく見せるための配慮がなされているんですね。
今回のキャストのメンバーは本当に心強い顔ぶれなので、心配することが一切ないんです。…みなさんそれぞれ自分の得意な芝居をもちながらも、キャラクターの芯を絶対に外さずに、さらに意外なアプローチをしてくる。僕が担当している蓮が落ち着いている分、みなさんがエモーショナルに芝居をしてくださっているんです。しかも、蓮たちが立ち向かう大人たちは、いわゆるレジェンドクラスのベテラン声優さんが担当されていて。いっしょに収録させていただけることが楽しいんです。今の僕らが少年少女役として、偉大な先輩方に立ち向かうような役柄に挑戦できることが、とても素晴らしい贈り物だと思っています。大ボリュームの原作ゲーム版からエッセンスを搾り取って、一本のドラマとして構成されているアニメ版を楽しんでいただければ。
ダ・ヴィンチ 2018年6月号
宮野さんが、竜司について語るインタビューは珍しいので貴重なお話でした。ゲームでは主人公の代わりにストーリーを動かしていく役目が多かった印象ですが、アニメでは雨宮蓮が自由に動けるようになって、竜司がどんな顔を見せてくれるのか、今後が楽しみです。関連記事:杉田智和「祐介のイラストに語り掛けてみたりもしました」【ダ・ヴィンチ】