公開 2018年05月15日(火) 22:00 5/10に発売されたオトメディア6月号では、P5Aの特集記事が12ページにわたり掲載されました。その中で、石浜監督のインタビュー記事が興味深かったので、一部ご紹介します。 オトメディア6 月号
— 現時点での雨宮蓮の成長について
自分自身が成長するというよりは、蓮が周りを成長させる印象が強いです。そう考えると、彼は絶対的な自分の信念を持った人物で、それを表現させてくれる仲間が増えていくことが、すなわち彼の成長ということになるのかもしれませんね
— 次なる仲間になりそうな祐介について
祐介は自然な高校2年生というよりはすごく『アニメキャラ』っぽい。都合のよいセリフを言っても自然に見えるし、杉田智和さんがまたそれを自然に言ってくれるんです。祐介は本当にブレないし、自分の思っていることを素直に言えるというのは、なかなかない人間像だなと思います。それ故に人に騙されてしまう弱さもあるんですけど、その中でも自分を曲げない、大きな信念がある人間という感じがしますね
— 「原作に忠実に」描いているとのことですが、アニメならではの表現、仕掛けなどはどんな部分でしょうか。
原作には本当に忠実に描くようにしていて。「余計な要素が原作を壊す」というのは、わりと最初から確信があったんですよ。表現としてはセリフが一番大きいかなと思います。ゲーム上では淡々と説明を織り交ぜた感じでセリフが作られていて、一見すると掛け合いに聞こえるんですけど、実は小説に近い感じの台詞が多いんです。ですから、これをアニメ用に再調整するということは行っています。実際アニメだと、役者が生でしゃべって、それに対してまた別のキャラクターが生で解釈をして言葉を発する。これがゲームの表現とはまったく別物でして、そもそものセリフの在り方自体が大きく変わってっくるんです。ただそのようにすべてを変えているかというとそうでもなくて、ゲームの中でとても印象に残るセリフが当然あるので、そこは完全に活かす形でやっていますね。説明台詞を入れてしまうと、どうしてもそのキャラの個性が死んでしまうんですよ。ですから、それを徹底的に防ぐっていうことは、意識していますね。アフレコ現場の雰囲気としては非常に和やかですね。みなさんすごく楽しんで演じてくれていて、セリフのひとつひとつのニュアンス自体に、命が1個2個じゃなくて、もう百個くらいの命が吹き込まれるようなノリで、キャラクターとしての完成度が話数ごとにどんどん上がっていく感じがあります。「自分が笑わせてやるぞ」みたいなおふざけが多くなっているのもその証拠で、監督という立場からすると、ここまで全員楽しみながら仕事ができていること自体、本当に奇跡に近いなというように見えてるんですよね。このままいくと、最後はどうなっているか想像がつかないくらい、全員の息がピッタリで、もうテストとかせずいきなり収録しても問題ないんじゃないか、と思うくらいです(笑)。
— 渋谷をはじめとする「実在する舞台」、現実に即した表現が多い本作ですが、そういった「リアル」を表現する難しさ、楽しさはどうでしょうか。
実際にある渋谷っていう場所で、実際にいそうな高校2年生が生活している空間を創るという意味では、難しさ以上に楽しみのほうが強いですね。創り上げていく過程そのものがすごく楽しいです。リアルを表現することの難しさというのは当然あるんですけど、どうすればリアルな空間を創り出せるだろう、っていう試行錯誤自体がとても楽しいんですよね。ですから、あまり難しいということは感じていないです。