公開 2016年06月18日(土) 12:00
かなりまとめたつもりですが、それでも結構長いです
─『ペルソナ5』に込めている思いは?
自分自身がアウトローになって、大胆不敵に世間を騒がせるスリルとカタルシスをお届けすること。ふだんの生活でも感じうる葛藤、ぶつかりうる問題と価値観を物語に盛り込み、自分自身が主人公となって感情移入できるジュブナイル(若者・青少年)に仕上げることです。本作をプレイしたことによって、実生活の景色が以前とは違って見えてきたり、自分や他人のために何かをしようと思い立つようなことができるように最大限の工夫を、本作に詰め込んでいます。
─主人公たちの活躍が、一般の人々にはほとんど知られることのない『ペルソナ3』や『ペルソナ4』に対して、『ペルソナ5』の怪盗たちがまさしく一世を風靡するのであれば、本作ならではの展開になりそうですね。
本作は、高校生としての日常と、ペルソナ使いとしての非日常がこれまで以上に密接で、非常に濃密な二重生活が楽しめます。本作は、非常に濃密な二重生活が楽しめます。主人公は高校生らしい日々を過ごしたり、オムニバス形式で起こる数々の事件にも挑み、積み重なる事実と出来事はやがてひとつの大きな物語へと収束していく。
─『ペルソナ3』や『ペルソナ4』のそれと比べると、ストレートにピカレスク(悪漢・悪者)ヒーロー的な存在をモチーフにしていて独特ですね?
主人公たちがもともとそういったピカレスク・ヒーローを愛好している背景があるわけではありませんが、精神的な成長や絆の深まりを見せていく中で、彼らのペルソナもまた進化し、まったく別の姿へと生まれ変わっていくようなこともあるでしょう。
─同じ私立秀尽学園高校に通う生徒会長の新島真について
真は生徒会長として主人公たちに目をつけるようになり、やがて、そんな彼女にもじつは本当の居場所がないという一面が見えてきます。清楚でありながらも心の内面はきっと激しく燃えたぎっている。そんなイメージが、ふだんは堅物の生徒会長でありつつ、怪盗団に加わると荒々しい力を存分に振るう真の姿として表れています。
─天才的なプログラミング能力と計算能力を持ちながらも、学校に通わず引きこもっているという佐倉双葉について
彼女自身が抱えている事情も特殊です。本作で描かれる“大きな物語”において、ひとつの鍵となるキャラクターですね。怪盗団に加わると、類まれなハッキング能力を駆使して主人公たちの情報支援役になってくれます。
─モルガナとともに颯爽と現れた、奥村春について
春が身を置く世界の大人は、欲望や陰謀のスケールがいっそう大きいものになります。言いかたを変えれば、物語が大きく動くときに出会うキーパーソンのひとりが春なんですね。ふつうの人なら信じて疑わないものに対しても、彼女は剣を片手に立ち向かう。
─ベルベットルームについて
本作におけるベルベットルームは、精神の牢獄とも言うべき様相を呈し、イゴールもこれまでとは異なる雰囲気を感じさせ、物語の大きな謎に関わってくるところでもあります。カロリーヌとジュスティーヌ、このふたりが双子であることにも、物語上の理由があります。
─ファンへのメッセージ
どっぷりとゲームの世界に浸りたいというプレイヤーの方のご期待に十二分にお応えできる濃密な仕上がりになっています。いざ遊んでみたら予想を斜め上に超えておもしろかったと思ってもらえる作品にする、そこに到達するまでが今回はとてもたいへんでしたが、できるかぎりの力を尽くして完成にいたることができそうです。以上です