【対談】アトラス橋野桂×ヨコオタロウ×SIE外山圭一郎××スクエニ藤澤仁【電ファミニコゲーマー】 | ペルソナ 情報局

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公開 2017年08月28日(月) 22:30

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ゲームメディアの電ファミニコゲーマーに面白い対談が掲載されました。橋野さんも今のアトラスのゲーム開発の過去や未来、これからのゲーム開発をしていく上での信念、スマホゲーム、海外市場とJRPG、これからのペルソナシリーズなど多岐にわたってセッションしています。かなり量があるので、橋野さんの部分を中心に一部抜粋してご紹介します。 電ファミニコゲーマー

ニーア、ペルソナ等の人気ゲーム開発者が激論! 国内ゲーム産業を支える40代クリエイターの苦悩とは【SIE外山圭一郎×アトラス橋野桂×スクエニ藤澤仁×ヨコオタロウ】

橋野氏:

学歴が高くないと入れない業界になっている気がしますよ。会社は「そんなことはない」と言うのですが、結局、新卒で入ってくるのは聞いたことのある大学名の子たちばかりです。そもそも僕らの時代は、僕みたいなプログラムもかけない、訳わかんない人間でも「面白そうじゃん!」のノリで、スッと入れてくれたんです。でも、僕たちがそういうやり方で人を採用してきたのかと言えば――違うでしょう。実は、僕たちは自分たちが仕事をしやすい「いい子ちゃん」ばかり入れてきちゃったという気がする。僕の入社時、アトラスは経営危機で大リストラをしている最中でしたから、いきなり上の先輩たちが会社から消えていく凄い状態です。まあ、さすがに「新卒はリストラ対象ではない」と言われましたけど。そんな中で28歳まで4年ほどスタッフをやって、5年目に初ディレクターになったのですが、ハッキリ言って社内の「愚連隊」みたいなチームでした。色んなチームの使いづらい連中が集められて、ちょっと言い方は悪いけど「島流し」のように作られたチームです。「窓際」ですらなくて、「外際」みたいな……(笑)。でも、そんな連中なので、自分たちの置かれた立場なんて分かってない。むしろ「チャンスだ!」と思って仕事をしました。いま思えば、ずいぶんと危険な初ディレクターだったと思います。

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橋野氏:

皆さんにお聞きしたいです。 確かに、僕たちより上のレジェンド世代は、色々な理由から世界中でゲームを売ることが、まだ日本人にも可能な時代でした。それに対して、やはり僕らの世代にはゲームが世界中で売れていく中で、日本のゲームだけが国内市場で閉じてしまった事実はあります。そのときに皆さんは、やはりかつての栄光を取り戻したいのですか? 正直に言いますが、僕はピンと来ていません。ちなみに、僕は先日のファンタジー作品プロジェクトの発表で「原点回帰」という言葉を使いました。僕自身は「ペルソナ」を作る中で得た、海外のユーザーも含めて普遍的に面白がってもらえる部分を突き詰めてみたくて、あえて「現実と切り離したファンタジー作品」に乗り出してみるつもりなのですが……まあアイディアがなくて困ったときに言う言葉でもありますよね、「原点回帰」って(笑)。 でも、それでもいいと思うんですよ。アイディアが無いなら無いで、開き直ってやってみれば、何か生まれると思います。僕の問題意識としては、むしろスマホの無料ゲームに流れた日本人たちに、どうすれば彼らの期待を上回った作品を提供できるのか……みたいな方が強いですが。

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橋野氏:

 僕は、脚本までは書かないけど、その手前の「小バコ」(シナリオの大枠)を書くところまではやります。 それは『ペルソナ3』でチーム組んだときに、シナリオを書ける人がいなくて始めたことでしかないです。ディレクターの仕事って、言わば「最後の尻ぬぐい」なんです(笑)。 だから、基本的には他人に任せるけど、必要な部分には入り込んで、手を動かすイメージですね。 本当はバトルプランナー出身だから、バトルなんて口を出したくなったりもするんですが、そこは上手いヤツがいれば任せます。逆にダンジョンのギミックみたいな部分で、「今回は経験の浅い若手しかいないから、自信はないけど自分が入るか……」みたいに判断したりもします。要は完成度が高くなればいいので、そのためなら何でもするわけです。で、穴がたくさんあると、全部自分が入るから延々と開発期間が延びる……(笑)。

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橋野氏:

 ただ、僕が若い頃に修業していた時代と、今ではもう業界の規模が変わってしまって、そこにいる人間の気質が変わってしまったのはあります。当時の僕たちは、もうメチャクチャな人間たちだらけの中で、必死で勉強したのだけど、今はもう「メチャクチャ」なんてやれる時代じゃない。そんな時代にプロデューサーになった自分の気持ちの行き場が、よく分からないところはあるんです。

ヨコオ氏:

 いや……橋野さんが、それを言うのはちょっと。この期に及んで、まだ新しいスタジオ立ち上げて、新しいファンタジーRPGを作るとか言ってるわけですよね(笑)。「他のJRPGを殺す気か! 周りを殺して何が楽しいの!」みたいな気持ちですよ。僕にとっては、もうグローリーロードを進んでらっしゃるとしか思えない。

ヨコオ氏:

 僕は橋野さんに伺っておきたいことがあるんです。 「ペルソナ」を新しい人に任せても、絶対に影響力は残りませんか……「ゼルダ」における宮本さんのように。そのとき、若手はどう橋野さんの幻影と戦っていけば良いのだろうか、と思うんです。

橋野氏:

 全然そこは心配していない。いや、心配するのも傲慢です。そりゃ10年以上ディレクターをやったので、どんなに才能がある若い人相手でも、僕の10年分の経験との差はありますよ。そこは比較しても仕方ない。でも、そもそも僕も「ペルソナ」は『3』からで、一から作ったわけじゃない。しかも、そのときに先輩たちは、「ペルソナはこういうものだ」なんてことは、何も言ってこなかった。だから、僕も同じようにしようと思っています。だから、次の人たちは橋野のやってたことが気に入らなければ、どんどん変えちゃえばいい。もちろん、好きな部分があるなら、それは勝手に続ければいいですし。きっと彼らは、どんどん「ペルソナ」を変えてくれるはずだと信じています。全文はこちら

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藤澤仁

『ドラクエ7・8』シナリオスタッフ『ドラクエ9・10』ディレクター 全文はこれの20倍程あると思いますが、過去から現在まで色々なゲームを例に出したり、著名なクリエイターの話をしながら沢山のお話をされています。ゲーム好きな方はとても楽しめる対談だと思います。


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