公開 2017年04月29日(土) 19:30 PixiVisionにペルソナシリーズキャラクターデザインを担当した副島成記氏のインタビューと新島真のイラスト作成動画が掲載されました。アトラスの新スタッフ募集のPRを兼ねてのインタビューなのでペルソナの話が中心ではありませんが、副島氏のデザインに対する考え方やアトラスの制作現場の話とで結構なボリュームです。一部抜粋してご紹介します pixivisionhttps://www.pixivision.net/ja/a/2403 あのアトラスが、次なる作品に向けてスタッフ大募集中!『ペルソナ』シリーズのキャラクターデザイン・副島成記さんインタビュー!
#DESKWATCH
──副島さんは、どのようにして株式会社アトラスに所属されましたか?
1995年に新卒入社して、そのまま今に至ります。ちょうどプレイステーションの『女神異聞録ペルソナ』を作っていた頃ですね。デザイナーとして入社しましたが、当時はそれほど分業化が進んでいない時代だったので、何でもやりました。絵を描くだけでなく、ドット絵を作ったりとか。
──アトラスに入ろうと思った理由は?
当時はまだそれほど規模の大きな会社ではなかったからです(笑)。大きい会社だと、あんまり自由に好きなことができないんじゃないかと思いました。逆にアトラス規模の会社なら、自分が活躍できる機会も多いかな、と。
──作業には主にどんなアプリケーションを使用していますか。
SAIとPhotoshopですね。線を引いたり、色を塗る作業……つまりペンタブレットを使う作業はすべてSAIです。Photoshopは色調を整えたり、特殊効果をかける時に使いますあとは、CLIP STUDIOも使用することがありますね。
PCはWindows7、Intel Core i7-6700 3.4GHzに32GBのメモリ。副島さん愛用のペンタブレットは、なんと10年以上前に発売されたモデル『Intuos3』! まさに弘法筆を選ばず!?
──クリエイター志望の方にとって、フリーランスになるか会社員になるかは大きな分かれ道ですよね。副島さんから見て、社員クリエイターのメリットとデメリットを教えてください。
メリットはやっぱり「すぐ近くに人がいる」ということだと思います。フリーランスの方だと、クライアントと話すために、電話やチャットを使うことが多いですよね。でも会社なら各ジャンルの担当スタッフがいますので、疑問があったらすぐ話しにいけますし、彼らからも話しかけられます。1番のメリットは個人で成し得ないスケールのことを、実現できることでしょうか。ゲームは多くの人間が携わり、イラストレーションのみならず、様々な形となってデザインが現れてきます。そのダイナミズムのようなものが、ゲーム会社、特にアトラスのようなコンシューマゲーム会社で働くメリットだと思います。
『真・女神転生』『世界樹の迷宮』シリーズを手がける第一プロダクションには 畳のある共有スペースが設けられています。
『Project Re Fantasy』を手がけるスタジオ・ゼロの共有スペース。いずれのフロアにもコミュニケーションを活発にするための環境が整えられているのが特徴。
──『ペルソナ』シリーズに登場するペルソナは、非常に奇抜かつスタイリッシュなデザインですよね。ああいったデザインを生み出す際のポイントはあるのでしょうか。
1番に考えるのは、お客様の目に触れたときにどういう印象を持たれるか、という点です。格好良いと思われたいのか、驚いてもらいたいのか……受け手に対してどうアプローチしたいのかを重要視します。その目的にそって素材を料理していく感じです。ただ、あんまりわかりやすいデザインだとつまらないので、どこかしら謎……というか、気にかかるような要素を付け足しています。お客様に「この要素がある理由は何だろう?」と興味を持ってもらって、原典にまで手をのばしてもらえたらいいなと。やはり元ネタがあるものを描いている以上、ただ単に格好良いだけのクリーチャーで終わるのではなく、原典にも目を向けてほしいですしね。
今では確固たる個性を身につけた副島さんも、入社直後はダメ出しの嵐だったそうです……。
──デザインの引き出しを増やすために、何か勉強されたりは?
色々なものを見て勉強するというのも勿論ありますが、それだと漠然としてて難しいと思うんですね。僕はまず最初のとっかかりとして「自分の好きなものって何なんだろう?」と自問するところから始めました。絵を書き始める時って僕もそうでしたが、好きな絵をみて、それに憧れて楽しくて絵を書き始めるんじゃないかな、と思います。ただ、その中でも「他人と何か違うものを……」と考えるときがあると思うんですよね。だけど、なかなかその「他人と違うもの」は真剣に自分と向き合わないとアウトプットできない。僕もあるとき、そこを見抜かれて、上司にダメ出しされまして(笑)。ちゃんと自分が一番いいと思うものを作りなさいよ、と。それからあらためて他人とは違う、僕だけが好きなものって何だろうと考え始めて、自分が伸ばしていきたいものが見えるようになりました。そうして個性を伸ばす上で必要なものを勉強していく方が、勉強しがいもありますし、そこから多くのものに興味が持つことができれば、なお素晴らしいと思います。
──では、キャラクターデザインにおいて楽しいことを教えてください。
漠然としたキャラのイメージを、形にしていくのが1番楽しいですね。キャラは僕だけではなく、チームみんなで作るものですが、絵がぽんと出来上がると「あ、こういうキャラだったのか」と共有できるといいますか。テキストだけでは伝わりづらかった部分をイメージとして共有して、より深くキャラを作り上げていく……その過程が1番面白いと思います。
新規IPの創造のために新設された、スタジオ・ゼロ。既存IPの力強い継続とあわせてさらなる成長を目指すアトラスは積極的な人材募集活動中です。
──今回の人材募集についてのお話を伺います。まず、募集することになったきっかけは何でしょうか?
『ペルソナ5』を発売後、『ペルソナ』チームも次のプロジェクトを検討していることや、自分もデザイナーとして携わっている「スタジオ・ゼロ」の『Project Re Fantasy』、また発表済みのプロジェクトですが、今年で25周年を迎える『真・女神転生』シリーズの新規プロジェクトなどアトラスとして様々な作品を作っていきたいと思っているのですが、これらを実現するためには、より多くの人材が必要となります。特に絵を描く人材を募集しているので、人材の宝庫であるpixivさんにお声がけさせていただきました。中途でも歓迎ですし、就職活動中の学生さんでも大丈夫です。もちろん、現在フリーとして働かれている方の応募も歓迎です。アトラススタッフと一緒に働いてくれるグラフィッククリエイターを募集しています。個性的じゃないと働けないとか、アトラスイズムが理解できない人間は入社できない、とか…『真・女神転生』のゲームのイメージそのままのソリッドな会社のように思われるかもしれませんが…社内のスタッフは、皆さんと同じように、クリエイティブに対してただ真面目に仕事をしているだけでして。オリジナリティのあるものを作りたくて、みんなで頭を悩ませているという意味では情熱的といえるかもしれませんが、クリエイティブの会社としていたってスタンダードなチーム、普通の会社だと思いますので安心して頂ければと思います(笑)。
全文はこの3倍程ありますので興味のある方はコチラ
次のペルソナやメガテン、新規IPに携われるチャンスかもしれないですね^^